■MacとWindows間のシームレスな操作感を実現するミラーフォルダ機能とは?


(1)ミラーフォルダの概要


 VMware Fusion2.0より実装された新機能の1つであるミラーフォルダ機能は、一見複雑で、どのような機能かイメージするのが難しいかもしれません。簡潔に表現すると、「仮想マシン上に保存されたファイルが透過的にホストマシン(Mac側)に保存される」ことを実現するための機能です。※ミラーフォルダ機能はWindows XPかWindows Vistaのみ利用可能です。

 コンピュータの世界では、しばしば「透過的」という言葉が「意識をせずに」という意味で用いられます。この意味でいえば、ファイルが透過的に保存されるということは、ユーザーは仮想マシン上で意識することなく、ファイルを保存した際には、常にMac側に保存されると読み替えることができます。

 ミラーフォルダを有効にすると、その対象となった場所が、Macと仮想マシンの間で擬似的にミラーリングされ、Macに保存されたファイルが仮想マシン側に投影されます。また、その投影されたイメージにより、元々仮想マシン上にあったファイルは一時的に隠された状態になります。

 まずはミラーフォルダ機能の概念図でイメージをつかんでみましょう。

ミラーフォルダ概念図改

 上記の概念図は、ホストマシンとしてのMac OS Xがあり、そのMac OS X上のVMware Fusionで仮想マシン(Windows XP)が動作しているとします。また、[デスクトップ]のミラーフォルダが有効になっている状態とします。

 概念図には、[A][B][C]という3つのファイルがあります。

 ファイル[A]は、ミラーフォルダを有効にする前に、仮想マシン上のアプリケーションから、仮想マシンのデスクトップを保存先として保存されたファイルです。ミラーフォルダが有効になる前に保存されたファイルですので、このファイルの実体は仮想マシン上に保存されています。ミラーフォルダを有効にしている間は、ミラーリングされたMacのデスクトップイメージにより、仮想マシンのデスクトップからは隠された状態になります。

 もちろんファイル[A]は消失しているわけではなく、例えばエクスプローラなどから、各アカウントのデスクトップを直接開くことで確認することができます。
C:¥Documents and Settings¥Administrator¥デスクトップ

 ファイル[B]は、ミラーフォルダを有効にした状態で、仮想マシン上のアプリケーションから、仮想マシンのデスクトップを保存先として指定して保存したファイルです。ミラーフォルダが有効になっているため、実際にファイルが保存されているのはMac側のデスクトップです。ただし、ミラーフォルダ機能によって、Macのデスクトップにある実体が、鏡のように仮想マシン上にも映し出されているため、仮想マシン上のデスクトップにも表示されています。仮想マシン上に映し出されたファイルの実体はMac上に保存されていますが、仮想マシン上での編集が可能です。

 ファイル[C]は、ミラーフォルダを有効にする前から、Macのデスクトップに保存されていたファイルです。元々Macのデスクトップに保存されたファイルは、ミラーフォルダを有効にすると、仮想マシンのデスクトップにそのファイルが映し出され、仮想マシン上から編集が可能になります。

 ミラーフォルダを有効にしている間に、ファイルをMac側に保存しても、その直後に仮想マシン上にそのファイルが反映されるわけではありません。仮想マシン上に反映されるタイミングは、仮想マシンがログオフ/ログイン、または再起動した時です。仮想マシン起動中に、ミラーフォルダを有効または無効にした際は、その直後に仮想マシンを再起動するように求められます。


(2)ミラーフォルダを利用するメリット


 ミラーフォルダの特徴は、仮想マシン上で作成したファイルが「透過的に」Mac側に保存されるということですが、言い換えれば、仮想マシン上に変更が加わることが通常よりも少なくなるということです。現在仮想マシン上でミラーフォルダを有効にできる場所は、以下の場所です。

[デスクトップ](Mac側でミラーリングされる場所は[デスクトップ])
[ドキュメント](Mac側でミラーリングされる場所は[書類])
[音楽](Mac側でミラーリングされる場所は[ミュージック])
[画像](Mac側でミラーリングされる場所は[ピクチャ])

 仮想マシン上でファイルを作成する時、ほとんどの場合、上記の場所のいずれかに保存されるのではないでしょうか。上記の4カ所に対してミラーフォルダ機能を有効にして、その場所を保存先に指定すれば、そのファイルは常にMac側にファイルが保存されることになります。つまり、仮想マシンに対する変更を極力抑え、比較的クリーンな状態を保つことができます。

 また、仮に仮想マシンが予期せぬ原因で、クラッシュ、起動不可能な状態になってしまっても、仮想マシン上で作成したファイルはMac側に保存されているわけですから、そのような大切なファイルの消失を防ぐこともできるのです。ミラーフォルダを有効にした上で、仮想マシンをユニティモード(仮想マシンのデスクトップを隠して利用することができるモード)で利用すれば、よりシームレスな環境で仮想マシンを利用することができるでしょう。


[Top]